寝台特急 富士・はやぶさ (1)

2009年3月14日のダイヤ改正で廃止された寝台特急「富士・はやぶさ」。大分行きの「富士」と熊本行きの「はやぶさ」、東京と九州を結んでいた最後のブルートレインの360度パノラマ記録です。
富士・はやぶさ
Panorama + 走行音 (1:27) ↑
東京駅10番線、18時03分発。通勤客で混み合う東海道線と新幹線ホームの間から「富士・はやぶさ」はひっそりと発車していた。2005年3月1日のダイヤ改正で「あさかぜ」と「さくら」が廃止されてからは、最後に残った「富士」と「はやぶさ」が東京〜門司間を併結運転するようになった。下り列車は前6両が「はやぶさ」編成、後6両が「富士」編成だった。
(2007年1月撮影)

東京駅 10番線
富士・はやぶさ
Panorama + 出発時の列車走行音 (2:20) ↑
こちらは神田側にて。EF65が品川の車両基地から「富士・はやぶさ」+EF66を牽引して入線していた頃。季節が違うが一枚目のパノラマと同じく、隣の9番線には185系「踊り子」の回送列車、20番線にはE3系「はやて・こまち」が停車中。頭上の行き先表示には遥か九州、大分・熊本の文字、両終着駅には翌昼前に到着する長旅だった。
(2007年8月撮影)

東京駅 回送列車
富士・はやぶさ回送
Panorama + 回送時の走行音 (2:34) ↑
朝10時過ぎ、九州から到着後の「富士・はやぶさ」回送風景。9番線を使って機回し、機関車を反対方向に付け替えると、東海道線の列車の発車を数本待って品川の車両基地へ回送されていた。上り列車は東京方が「はやぶさ」、パノラマに写っている九州方が「富士」編成。回送時はいつも「ガーガー」と鳴り響いていたスハネフ15(スハネフ14)の床下発電機も落とされて静かだった。
(2008年1月撮影)

ソロ下段 (オハネ15 2002)
はやぶさ・ソロ
Panorama + 車内放送 (5:25) ↑
ソロ個室にて。かなりノイジーですが車内放送・走行音とともにヘッドホンでどうぞ。3号車「はやぶさ」と9号車「富士」に1両ずつ連結されていた1人用B寝台個室「ソロ」(オハネ15 2000番台)。車内は片側通路で、段違いに上下室を組み合わせた構造(ベッド上の”張り出し”が上段のベッド部分)。室内のベッドは枕木方向に配置され、下り列車は(着席時)下段が進行方向だった。車窓は山側(富士山側)となり下段室の通路側には小窓が付いていた。

18時03分に東京駅を出発した列車は21時頃、いわゆる”おやすみ放送”が流れ、開放式B寝台は減光、車内放送は翌朝まで中断されていた。遥か九州の駅名を聞くことができるのも長距離列車ならではの醍醐味。乗車時は大雨4分遅れ、窓に雨粒が激しく当たる音がする。収録音冒頭の鉄橋通過音は大井川である。
(2008年2月撮影)

B寝台 (スハネフ14 12)
富士・はやぶさ車内
Panorama + 車内放送 (6:45) ↑
こちらはB寝台に乗車時のパノラマ風景。毎晩21時、大井川を渡り金谷駅を通過したあたりで流れていた車内放送と走行音とともに。この時は列車廃止についてJRの公式発表前だったが新聞ではすでに報じられていた頃だったと思う。東京駅10番線にはカメラを構えた鉄道ファンが多く、それなりに車内も混んでるのかしらと乗り込むと私の他3名であった…。

東京駅は18:03発。客車がボロなので内装のあちこちから軋む音がしたり、スハネフ14は床下で常に電源用のエンジンが回っているでなかなか騒々しい。通路側の折りたたみ式の座席を引き出して車窓を眺める、ここが特等席。同じ車内のオヤジも特等席でひとり静かに呑み始めていた。ラッシュアワーで並行する通勤列車は満員だけど、この列車に気がつく人はほとんど居らず、まるで風か空気のように首都圏を走り抜けていった。

早くもビールと駅弁で満足してしまい、そのまま“2本目”に突入すると絶対にカメラなど出さなくなるので…、先にパノラマを撮った。やがて列車は大井川の鉄橋を通過し、21時に“おやすみ放送”のチャイムが聞こえてきた(環境音の冒頭でEF66 51の力行音も少しだけ聴こえます)。その後まもなく車内が減光されると夜の車窓も見やすくなる。東京駅で“呑み物”を十分に備えて乗り込んだ甲斐あって、ベッドに潜ってからもウトウトしながら遅くまで起きていた。ふとカーテンの隙き間から車窓を眺めると明石海峡大橋が見えたので、さ、寝ようと思った。
(2008年12月撮影)